「ゆり丸に乗ってきました」

「ゆり丸に乗ってきました」

■ゆり丸とは
皆さんは「伊豆諸島開発」という会社を、「ゆり丸」という船をご存じでしょうか?
伊豆諸島開発は八丈島~青ヶ島航路、父島~母島航路という本土から直接行けない島へ隣の島から船便をつないでいる会社です。保有船舶は3隻。今回はその中でも唯一定期航路を持たない「ゆり丸」に乗ってきました。

【写真1】
(ゆり丸。貨物船のような外観ですが定員90名の貨客船)

ゆり丸は定期航路を持たず、普段は貨物船として本土から伊豆諸島を結んでいます。しかし、先ほど挙げた伊豆諸島開発の航路、そして神新汽船の航路を運航する船が年に一度のドック入りする際に代わりに定期航路に入ります。今回は神新汽船の「フェリーあぜりあ」がドック入りしていることに伴いゆり丸が下田~利島・新島・式根島・神津島航路に入っているので乗りに行ってきました。

【写真2】
(普段就航しているフェリーあぜりあ)

■神新汽船航路に乗りに行くには大きく2つの方法がある
神新汽船航路の始発港は伊豆半島最南端の下田。出港は9時30分。東京から向かうにはかなり早朝に出発せねばならず、駅から港まで徒歩20分程度はみなければならないので注意が必要です。
今回私と友人2人が取った方法は「さるびあ丸から乗り継ぐ」方法。東京・横浜を夜出港し、翌朝大島・利島・新島・式根島・神津島と順に着く航路から神新汽船に乗り継ぎます。こちらの方が荒天には弱い作戦ながら、乗り継ぐ時間的には余裕があります。今回我々はさるびあ丸を式根島で下船し、ゆり丸に乗り継ぐ作戦に出ました。

【写真3】
(さるびあ丸船上にて。朝日を浴びながら島を眺める至福の時間)

■式根島にて
式根島には朝9時に到着。ゆり丸の出港が13時10分でしたのでかなりの時間があります(注:神新汽船航路は月・木・土が南回り、火・金・日が北回りと寄港順が変わります。また水曜日は運休です)
この時間を使って軽く式根島観光と行きましょう。式根島はコンパクトな島でアップダウンこそ若干ありますが、徒歩で回ることは可能です。ここでお弁当に「赤イカ焼きそば」をGET。時間に余裕があれば海を眺めつつ食べるのがとても幸せになれそうです。

【写真4】

■「条件付き運航」にご注意
さて当日の伊豆諸島は晴れてこそいましたが北東の風が強く、ゆり丸の運航は神津島が就航のほか、式根島・新島・利島は条件付き運航。つまり現地に向かって出港するものの着けるかどうかは現地の状況次第、という非常に微妙な状況でした。ここで我々が取った作戦が
①    式根島より大きな新島(条件付き)に向かってそこからチャレンジする
②    このまま式根島(条件付き)でチャレンジする
③    就航が決まっていた神津島にジェット船で渡って無難に行く

協議の結果、3人が①~③別々の方法を取り船上で再開する、という何ともネタに走ったチャレンジャーな結果になりました。

■私は神津島へ
私は③の無難に神津島へ渡って乗船。各島間の船便はさるびあ丸等の大型貨客船、ジェットフォイル、神新汽船、新島~式根島間は村営船「にしき」など色々な船が走っており選択肢も多い(それ故悩ましいのですが)。それぞれの船のダイヤを頭に入れ乗り継ぐ方も多いとか。私はジェットフォイルでお隣の神津島へ。到着後すぐにゆり丸が到着し一足お先に船上の人となったのでした。

【写真5】
(神津島前浜港に入港するゆり丸。写っている島は無人島「恩馳島」)

■船上から島を眺める楽しさ
ゆり丸船内はジュータン敷きの2等自由席モノクラス。売店どころか自販機もないので飲食物は乗船前に手に入れましょう。私は甲板で景色を眺めながら船旅を楽しみました。色々な乗り物がありますが、ここまでゆっくり景色を楽しめる、非日常感が味わえるのは船ならでは、ではないでしょうか


【写真6】
(ゆり丸船上より)

■無事の再開
船は条件付きの式根島、新島、利島へ向かいます。かなりの向かい風で揺れますが、それほど不快にはなりませんでした。周期的に揺られむしろ心地よさすらあります。

【写真7&8&9】
(左から式根島野伏港、新島黒根港、利島港)
式根島、新島、利島いずれも条件付きでしたが難なく就航。クルーの息の合った操船に感動します。これは見てほしい。
式根島、新島から先ほど分かれた友人二人が乗ってきました。(一人だけ無難に乗り継いだことをやたら煽られました)再開を祝し、船上でお弁当を食べる。海を見ながら食べるご飯はなんておいしいのでしょうか。

■下田へ


【写真10】
時化で若干の遅れを伴っていましたが、船は全ての島に就航し一路下田へ。船上で知り合ったご婦人と世間話。旅の出会いって不思議と印象に残るんですよね。
この日は夕焼けがとても綺麗で、かなりシャッターを切りました(その分編集が大変になりました)こういう時間の使い方が一番の贅沢なんだな、なんて思いながら下田港へ

【写真11】
普段貨物船として活躍している船に乗ることができる、というだけで大変貴重なのですが、非常に天候に恵まれ充実した旅となりました。甲板でぼーっと島や海を眺める旅。時間こそかかりますが、一度試してみることをおすすめします。